木々のささやき 337号

学んだことは、行動しよう

 学ぶことは行動のきっかけづくり

 行動は学んだことの証です。

 学んで行動を起こさないのは

 真に学んだことにはなりません。

 学ぶことは行動することです。

 素心学は行動する学問です。(池田繁美先生)

 

 素心学には、上のような「学行一致(がくぎょういっち)」の精神があります。つまり、学んだことは行動しましょうということです。

 

 以下は、この「学行一致」の精神を生かし行動した話です。

 一人目はAさん。12月の勉強会で塾生の一人から“思いやりの心を育もう”と題して、次のような発表がありました。

 ご近所の男性が訪ねて来られ、「このどら焼きを娘さんに渡してください」と言われました。「どうしたんですか」と尋ねると「娘さんからお菓子をいただいたので、そのお返しです」とのこと。さらに「周りの人に施しをすると、ちゃんと返ってくることを教えてあげたいからね」という事でした。(後略)

 上のような発表を聴いた彼女はその時、そういえば自分も先日会長(私)からいただいたものがあったことを思い出し、さっそく私も会長にお返しをしようと、勉強会終了後(午後9時半以降)から準備して、翌日「先日からはありがとうございました。昨日の勉強会で心に残る発表を聴いたもので・・・」とニコニコしながら差し出されました。お客様から頂戴したものをみんなで分け合っただけなのに、心温まる心くばりをいただき恐縮いたしましたが、ありがたくいただきました。学んだこと(いい話を聴いたこと)をすぐに行動に移した機敏さにも脱帽です。

 二人目はN君。この社員も1月度の勉強会で、私が「〈人生の棚卸〉と同じように、素心学塾の過去を振り返ってみることで、これから先の素心学塾や私たち塾生の進むべき方向が見えてきます」という発表をしたところ、翌日彼から「昨日はいい話をありがとうございました。これから素心学の学びを深めたいと思います。」という感想をいただきました。さらに「木輪についても同じように、木輪の創業以来のことについても振り返ってみたいのですが、何かありますか」と尋ねて来ました。そこで「私がどういう思いで会社(木輪)を経営してきたかを知ることがそれにあたります。これまでに発行した”木々のささやき”336号の全てに目を通してみてはどうでしょう。」と答え、彼に”木々のささやき”を渡したところ、生き生きとした表情で受け取ってくれました。

 学んだことをすぐに行動に移してくれた二人は「学行一致」の精神を生かし、これからも素心学についての学びを深め、仕事においても成長してくれることでしょう。私の心はあたたかく、安心と喜びで心満たされました。

 

2019年2月 337号より 芳野 栄