木々のささやき 289号

みんなで仲良く、たのしく

「みんなで仲良く、たのしく」が私のねがいです。

 昨年の暮、木輪で働いてくれていた四人の女性が訪ねて来られました。木輪を退職されたあと、それぞれの職場で活躍されておられるのですが、木輪という職場で共に働き、一時期を過ごしたスタッフ同士が退職後も連絡をとり合い、お付き合いを深めていることにとてもうれしく思いました。入社前お互いに全く面識のなかった者同士が、木輪で一緒に働くというご縁によって結ばれ、退職後もお互いに、そのご縁を大切にされているのです。木輪という店の存在意義の一端だとも思われます。

 さて、その時元スタッフの四人から一つの申し出がありました。それは、「木輪の新年会や納涼会に私達も呼んでいただけませんか」ということでした。木輪の恒例になっている新年会や納涼会がとても楽しい、思い出深いものだったようです。退職後の新しい職場では、木輪で働いていた時のような、みんなで仲良く、たのしくという場がなく、もう一度当時のような雰囲気に触れたいということでした。そうしたいきさつで四人の元スタッフを今回、一月二十六日の新年会にご招待し、一緒に仲良くたのしむことにしました。

 新年会や納涼会は、毎回休日前の月曜日の閉店後店内を会場としておこなっています。幹事の指揮のもとで会場づくり、料理づくり、テーブルセッティング、買い出しゲームの準備等全員がそれぞれの担当を受けもち手際よく進められ開催します。今回は、とりのから揚げ、ミートパスタ、きのこのパスタ、クラムチャウダーのスープ、チンジャオロースー、温野菜サラダ、きのこのサラダ、フルーツサラダ、レンコンのタルトなどの料理をつくり、テーブルに運んだあと、九年勤めていただいた元スタッフの乾杯でスタートしました。全員が料理をつくってくれた人に「〇〇さん、ありがとう。とてもおいしいよ」と感謝の気持ちと感想が飛び交い、とてもいい雰囲気です。どこか他の店に行ってやるのではなく、全部自分達で準備し、自分の店でやるところにとてもいい雰囲気が醸し出されていくのでしょう。次に幹事が趣向をこらしたゲームがはじまりました。参加者全員の一才~二才位の写真と小中学生時の写真がパネルに並べられ、二通りの写真を見て、それが誰であるかを当てるクイズです。全員がパネルのところに集まり、熱心に写真とにらめっこ。全員で笑いながら、首をかしげながらあたたかい空気を共有できました。

 今年の新年会も幹事さんはじめ、みんなの協力のおかげで、とてもたのしい思い出深いものとなり、心に深く刻まれたことでしょう。元スタッフが初めて参加した新年会でしたが、彼女達も現役の時の気持ちを呼び戻せたようで、とてもすてきな笑顔を見せてくれました。

 みんなで仲良く、たのしく過ごすことができました。

 

2015年2月 第289号より 芳野 栄