木々のささやき 326号

素心学を学ぶ喜び

 素心学(池田繁美先生)を学びはじめて二十二年になります。”こうした人間学の学びに終点はない”ということもありますが”学ぶ喜び”を感じるということも継続の要因になっていると思っています。

 学んだことを行動してみる(学行一致)ことで、「なるほど、そういうことか」と学んだことが体験を通して理解できることがあります。こうしたことが、”学ぶ喜び”となって心を喜びで満たしてくれているのです。

 池田繁美先生から、「素心学での学びを伝えることで、さらに学びが深まります。」という指導を受けています。実際に身ぢかな人に伝えようとすると、自分の学びが浅いと、なかなか伝えることができません。なおも伝えようとするなら、学びを深めようと努力せざるを得ません。また伝えようとすると、新たな疑問もわいてきます。こうした疑問を解決していくことで学びも深まってきます。まさに「身ぢかな人に伝えることで学びが深まってきます」ということが体験を通して理解できます。その時「なるほど、そういうことか」という喜びに変化していくのです。

 最近、身ぢかな人に素心学を伝える中で、「良い影響を与えることができた」と”伝える喜び”を感じることがありました。素心学を伝えている、一人のパン屋の経営者から、次のような内容のハガキをいただきました。

 先日テレビ、取材があり、その放映後の反応が、これまでのものと違っていました。これまでは、「パンがおいしそうでしたね」というパンに対する反応がほとんどでしたが、今回は「テレビに映っていたあなたの感じがよかったよ」とか「店内の雰囲気が温かく感じました」など、パン以外のところでほめられることが多かったです。「これも素心学に出会い、学び行動したおかげです。」と結んでいました。

 このようなハガキをいただき、素心学を伝え、良い影響を与えることができてよかったと思うと同時に、素心学を”伝える喜び”を味わうことができました。こうした"伝える喜び”を味わうことができることも、私が素心学を”学ぶ喜び”になっているのは間違いありません。

 素心学を学び「学行一致」で”学ぶ喜び”を感じる。素心学を身ぢかな人に伝え、良い影響を与えることで”伝える喜び”を味わう。こうしたことが素心学を学び続けていくエネルギーになっています。

 

 

 

2018年3月 326号より 芳野 栄