尚志に込めた想い

 今年も残すところあと一ヶ月となりました。日が暮れるのもずいぶんと早くなり、車のライトやイルミネーションなど年末に向けて街中もいくぶんあわただしくなってきているような気がいたします。朝晩の冷え込みが日に日に厳しさを増して、いよいよ冬がやってきたと感じます。

 おかげさまで本誌も今号をもちまして51回目を迎えることができました。心より感謝申し上げます。平成30年10月よりお客様をはじめとして地域の皆様に、少しでもお役立ちできる情報をお届けしたいという思いで発信してまいりました。

 特に新商品やおいしいパンの食べ方についてご提案させていただき、パンを通じた『食』に対する興味や関心事をお届けすることが、まずは木輪ができる貢献方法だと考えてきました。今号よりさらに、私たち木輪にできることを深堀してお届けできればという想いから、稚拙ながら筆を執ってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、本紙第一号にて、そのタイトルでもあります『尚志』の由来について触れてみました。当初は周囲から「タイトルとしては少し硬いのでは」と指摘されていました(笑)。先代が発行しておりました通信文『木々のささやき』のように柔らかく、読んでいただく方にも心地よい響きのネーミングがよいと私も思っておりました。ところが、様々な候補から最終的に私がお届けしたい情報の源流はここにあると考え、『尚志』といたしました。

 『尚志』とは、中国古典「孟子」の一説です。2015年ベーカリージャパンカップにて農林水産大臣賞を受賞した際に、小学校の恩師(現 竹末市民センター館長・櫻井先生)に直筆の“書”をプレゼントして頂きました。そこに書かれていた文字が『尚志』でした。「志を尚(たか)く」という意味で「驕ることなく志を高め、レベルの高い商品やサービス、雰囲気でお客さまや地域の方々のお役立ちできる人となりなさい」という先生のメッセージだと解釈しました。

 これから、この言葉の意味を噛みしめながら、務めを果たしてまいりたいと思います。