木々のささやき 329号

「素直な心」を学び続けよう

 私は、一つのことを継続することを大切にしています。一つのことを継続することに次のような意味があると思っています。

 1. 「継続は克己なり」

    一つのことを継続することで自分の弱い心に打ち克つ心が養える

 2. 良い習慣が身につく

   例えば玄関の乱れたハキモノをそろえ続けることで良い習慣が身につく

 3. 心に喜びがわく

   継続することで気づきが得られ、そのことで「心に喜び」を感じる

 この中で心に喜びを感じることが、継続できるコツだと思います。例えばディズニーランドに行った人に感想を尋ねると、「とっても楽しかった」「とっても良かった」という答えが返ってきます。その時、その人の心は喜びで満たされているはずです。するとこちらからさらに尋ねるまでもなく、「もう一度行きたいですね」「何度も行こうと思います」という言葉が返ってきます。心に喜びを感じることが継続につながるということが言えます。

 「素直な心」を学び続けるのも、このことと同じだと思っています。素直な心を学ぶ中で「学ぶ喜び」を体感すると、学び続けることが出来ると思います。

 以前、池田繁美先生から「自然行(自然の中を一人で黙々と歩く)をするといいですね」と言われたことがあります。その当時は早朝から遅くまで仕事に追われ、その余裕はありませんでした。さらに経営上の問題や悩みを抱えていましたが、何とか都合をつけて「自然行」に出てみました。すると一歩自然の中に身を置いた瞬間に心が解放感に包まれ、それまで抱えていた問題や悩みが一瞬飛んでしまい、心が喜んでいるということを体感出来ました。心も身も軽く、その日がとてもたのしい一日となりました。池田繁美先生の言われていたことが「なるほど、そういうことか」としっかり体感できた時、心に「学んでいてよかった」と「学ぶ喜び」というものを感じました。

 そのようになると、人から「自然行」をすすめられなくても、自らすすんで「自然行」を行うようになりました。

 これまで22年間素直な心を学び続けることが出来たのも、こうした「学ぶ喜び」を感じることの連続であったからだと思います。

 ところで「学ぶ喜び」を感じれるようになるには、上の例にもあるように、学んだことは行動するという「学行一致」の精神が欠かせません。しかし、学んだことを行動したからと言ってすぐに結果はでません。

 コツコツと行動を継続していくことが大切です。コツコツと行動を続ける中に、「なるほど、そういうことか」と心に喜びを感じることができます。そうした「心の喜び」こそが学ぶ喜びとなり素直な心を学び続ける力となるのです。

 

2018年6月 329号より 芳野 栄