木々のささやき 297号

自己変革しよう

 第三期「魅力ある人間づくり講座」が九月よりスタートいたしました。来年の六月まで十回、毎月第三木曜日に開催します。パン業界で働く仲間達が素心学(池田繁美先生)を学び、魅力的で人から好かれる人物になることを目的とする勉強会です。今年のテーマが、標記の「自己変革しよう」です。今年も関西のパン屋さんを中心に十四名の受講生と共にスタートしました。三年目の受講生が二名、二年目の受講生が一名、新しく学ばれる方が十一名です。

 勉強会では、後日勉強した内容について、報告書を提出していただいておりますが、そのうちの一人の受講生K君からうれしい、感動の報告書が届きました。「第二期の勉強会を終了し、私自身の生活面において変化がたくさんありました。今回、この第三期では、さらに自分を磨きあげるために、素心学をより深く学ぶ努力をします。体験発表も長々と話すのではなく、内容を具体的に話すほうが、言葉に説得力があることがわかりました。禅的瞑想で心が落ち着き、集中力が高まっていることを実感できています。第三期では、自己変革に向けて、もう一度私自身をよく振り返り、自分に欠けているところを正していくことを実践してみます。魅力ある人間には、二十の徳目を備えていますという話があったので、一つ一つ確実に達成できるよう努力し、今の自分より成長したいと考えています」

 K君は、昨年から素心学を学びはじめていますが、それまで、このような学びをしたことがなく、まして、人前で話すということもありませんでした。当初は大変苦労されていました。学びが進むにつれて、少しずつ自分に欠けているところを正す努力をされ、成果発表会では、七十名余りの前で堂々と学びの成果を発表されました。昨年のK君でただ一つ残念だったところは、報告書の提出状況が今一つということでした。その彼が、心機一転、今回は勉強会の翌日に、先のような学びの報告をしてくれました。報告書を手にした時、K君の変化がとてもうれしく感動しました。すでに「自己変革が始まっているな」と思いました。第一期生の報告書の中にも「K君は昨年と違い、発表が段違いに上手になっている」という評価もありました。

 K君の学ぶ姿勢が変わりはじめました。素心学を本気で学んでみようという思いが伝わってきます。K君の思いが「自分をもっと変えたい」また「変わらなければ」という思いに変化したのだと思います。

 すでに自己変革のはじまったK君に負けないよう、私もしっかり素心学を伝えながら、共に成長していきたいと思います。

 

2015年10月 第297号より 芳野 栄