木々のささやき 300号

良い習慣を身につける

 「もっと魅力的で、周囲の人から好かれる人間になりたい」と最近つよく思うようになりました。私のまわりには、そのお手本となる尊敬するかたがたがいらっしゃいます。そのかたがたの立居振舞を拝見していますと、とても美しく、魅力的で良い雰囲気が伝わってまいります。そして、多くの人から好かれています。これから私も良い習慣を身につけたいと思っています。

 これまで六十四年間で身につかなかった良い習慣が、今さら頑張っても身につくかなとも思いますが、これからも魅力的で輝く人生、幸せな人生を送りたいと思っている限り、また周囲の人に不快さを与えまいとする限りにおいては、決して遅くはないと思うのです。

 私が身につけようとする良い習慣とは、決してむずかしい内容ではありません。素心学(池田繁美先生)では、素直な心に近づくために日々取り組むべき行動を示した、二十一項目にわたる「日常の心がけ」というものがあります。その実践に努め、深めてみようと思っています。

 これまでにも、良い習慣を身につけたいと思い努力しましたが、結果として、自分が納得できる「魅力的で周囲の人から好かれる人間」には至っていません。まだまだ自我が強く、周囲の人にも知らず知らず不快さを与えています。またその取り組み方にも工夫が足りなかったと反省しています。そこで今回は、素心の五行(禅的瞑想、歩行、写字、柔体、清掃)もしっかりおこない合わせて、「日常の心がけ」の実践も、もっと行動しやすいかたちにして取り組んでみようと思います。例えば、「笑顔であいさつ」という項目に対しては、「目を見て」「止まって」「笑顔で」「こちらから」「丁寧なお辞儀」「ひと声かけて」「心を動かして」というように笑顔であいさつをする中にも思いやりの心を込めてみようと思います。「正しくやさしい言葉づかい」では「ゆっくりとおだやかな気持ちで」「相手の気持ちを和ませたり、勇気を与える内容」を「ことばを選びながら」「相手の欠点を指摘せず」「責め口調、命令口調をしない」など具体的に行動目標を決め、実践し、一日の終わりに、反省していこうと思っています。

 この一ヶ月間このようにして実践して気づいたことは、自分の足らないところ、欠けているところがより明確になってきました。そこを正していけばいいんだとより目標が明確になりました。また納得のいかなかった項目(行動)については、翌月再挑戦です。良い習慣として身につくまで根気よく続けようと思います。

 六十四才にして、これまでの自分を振り返り自己変革をのぞむのであれば自分を律し、躾けなければなりません。これまで子供や社員に対しておこなっていたことを自分に向けなければなりません。むずかしいことだと思いますが、根気よく、丁寧に自己を正してまいります。

 

2016年1月 第300号より 芳野 栄