秋も深まってまいりました。今年の中秋の名月は10月6日だそうですね。秋は大陸からの移動性の高気圧の影響で空気が乾燥し、水蒸気や塵が少ないため他の季節に比べて、空は澄み渡っているそうです。普段スマホや手元ばかりに目が行きがちですが、たまには空を見上げて秋の澄み切った空を堪能したいものですね。
先日、車で街中を走らせ赤信号で停車したときのことです。約束の時間も迫っており、その日に限って信号によくひっかかるなぁと思っていました。ふと、 川端に生い茂った雑草と共生している黄色の花に目が止まりました。「黄色が鮮やかな花だなぁ。きれいだな。何ていう花だろう。スイセンかな。」そう思い、スマホで検索してみるとやはりキズイセンというスイセンで、4~5月に咲く花だということがわかりました。 その後、しばらくしてからそれまでの一連の私の行動を振り返ると、ジワ~っと満たされた気持ちになりました。 今まで私は花や植物には疎く、知識に乏しいどころか興味すらありませんでした。 ところが今回、焦りの心境にあったにも関わらず、川端の花に目が止まり、「美しい」と感じることができました。また、「何て花だろう」と関心を持つことができたということは自分の世界が広がったような気がして、嬉しかったのです。
五官≪眼、耳、鼻、舌、身(皮膚)≫は意識することによってはじめて、五感≪見える、聞こえる、におう、味わう、感じる≫に変わります。 ところが意識がないと、見えるものも見えず、聞こえるものも聞こえてきません。この「意識を向ける」すなわち「心を向ける」ことが多方面にできるようになると、今までよりさらに世界が広がると思いました。一般に、このような人を「感性が豊かな人」といわれます。 私はこの「感性」というものは、受動的な「感じる力」と能動的な「感じようとする力」と二通りあるような気がします。 受動的な「感じる力」は先天的、もしくは幼少期などの環境によって育まれる力、能動的な「感じようとする力」は自らの努力によって伸ばすことができる力ではないかと考えています。 これから、尊敬できる方を目指して行動を取り入れることや、自然や著作物、芸術品など、自分とは疎遠だった分野にも興味や関心を示すことで、感性を磨いていきたいと思います。そして、様々なことに「気づける人」となり、人生を「味わえる人」になりたいと思います。