テラスのあじさいも花を咲かせ、緑の映える季節になりました。私たちパン屋の主原料となる小麦は福岡では今が収穫の時期で、小麦畑では黄金色一面の景色が壮観です。今年も小麦が豊作であることを願いつつ、自然の恵みに感謝しながら、おいしいパンを造ってまいりたいと思います。
私たちパン屋は食に携わる職業であり、当然のように清潔さが問われます。『清潔』とは、身も心も清々しく、汚れていないことです。 一般に「清潔感がある」「さわやかだ」と言われる人を想像すると、上記の解釈にもあるように外見だけではなく内面(心、性格など)からにじみ出る様子をさしているように思われます。 仏教用語に「唯心所現(ゆいしんしょげん)」という言葉があるように、心と体、そして身のまわりは連動していて、見た目やその周囲の様子は、その人の心を現していると言えるのではないでしょうか。
9年ほど前に、会長から社長室とそのデスクを譲り受けました。その後、社長室が汚れていると指摘をされておりましたが、その場しのぎで、なかなか自らすすんで整理整頓や掃除ができていませんでした。ところが、ある不動産会社の社長さんの部屋を訪問させて頂いた時に、とても理路整然としていて、デスクの上も何もない状態でした。「私もこんな部屋で仕事がしたい」と思ってから、私の部屋がいかに雑然として、あちこちが汚れているのかが気になるようになりました。それからは、定期的にエアコン周り、額縁、本棚、机の引き出し、ソファー下など拭き掃除を行なうようになりました。毎回掃除をした後は、とても清々しい気持ちになります。仕事もはかどり、いいアイデアが浮かびそうな気分となります。身のまわりをととのえると心もととのうことを実感しました。 また、自分がすがすがしい気分になるだけでなく、他人からも「きれいだ」「美しい」と言われるように清潔さを保っていきたいと思います。それは「不潔だ」「汚い」などと不快な気持ちにさせない「思いやり」でもあります。
食に携わるものとして、社長として、職場の人、お客様に不快にさせない事はどういうことかと客観的に自分の仕事(会社全体)を見返すようにしていきます。いつも心をととのえて、身だしなみや姿勢、作業環境を「きれいだろうか」「美しいだろうか」と意識していきたいと思います。