木輪では、社員相互の思いやりを大切にしています。社員一人ひとりに思いやりの心を身につけていただくために取り組んでいるのが、「日常の心がけ」という21項目にわたる思いやりの行動です。
中学3年生の子どもさんを持つスタッフの報告の中に「日常の心がけ」に真剣に取り組んでいる様子が伝わってくるものがありましたので以下に要約してご紹介したいと思います。
「和やかな気持ちで相手に応対」という項目に取り組みました。最近、家にいるとイライラしていることがよくありました。その原因は、「子どもが言うことを聞かないから、子どもが○○してくれないから」と子どものせいにしていました。最近は「あぁしなさい。こうしなさい」ばかりで子供たちをほめたり、良いところを伝えてあげれていなかったなぁと反省しました。ある日、中3の長男に「自分の良いと思うところを言ってみて」と問いかけました。すると「ない」と即答。照れて言いにくいのか、聞き出すことができませんでした。そこで「それなら、お母さんがあなたの良いところを言うよ」と長男の良いところを家族皆の前で発表しました。長男はとても照れていましたが、嬉しそうな顔をしていました。その様子を見て、「私にはこれが足りていなかったのか」と気づきました。長男の良いところを家族皆の前で伝え、家族で共有できたことで、家庭が良好な雰囲気となりました。
その日から毎日、一人一つずつ3人の子どもに対して、それぞれの良いところややってもらって嬉しかったこと、助かったことを伝えるようにしました。すると、子どもたちはすすんでお手伝いをしてくれたり、私を喜ばせようとしてくれているのがわかるようになりました。
今まではイライラの原因は子どもたちにあると思っていましたが、そうではありませんでした。原因は私自身の中にあり、私の考えや行動を変えると、こんなにも周囲が変わり、自分も穏やかに過ごすことができることに改めて気づきました。
このスタッフの文章を読み終え、心があたたかくなりました。「よかったね、よかったね」という思いがこみ上げてきました。原因が自分自身の中にあったという事によく気づいてくれたと思いました。
日常の心かけ21項目は、どれも子どもにもできることばかりですが、今回のことで真剣に取り組むことで、自分の欠けているところに気づき、そこを正していくことで、幸せになれるということがわかりました。家族みんなで実践していただきたいと思っています。また、職場においても実践していただきたいと思っています。
社員一人ひとりが日常の心がけに真剣に取り組むことでさらに思いやりの心を身につけた社員が増え、良い社風の職場になっていくことを願っています。
2020年5月 352号より 芳野 栄