木々のささやき 317号

「心のクセ」を正していく。

 私の学んでいる素心学塾(池田繁美先生)の目的は、「素心学を学び、人格の完成をめざす」ことにありますと教えられます。つまり、素直な心を身につけて、魅力的で人に好かれる人間になりましょうということです。素直な心を身につけるうえで大切なことは、私たちの心の中にある「心のクセ」(自分中心に考えてしまう自我の意識と先入観や固定観念でものを判断してしまう業の意識)を正さなければなりません。

「心のクセ」を正す方法として、「禅的瞑想」や「今、ここ」に生かされていることに対する

「感謝の言葉」や「一日の反省」を毎日くり返すことと示されています。「心のクセ」を正していくと、柔和でおだやかなやさしい雰囲気の持ち主となり、人から好かれる人間になれますが、これらを毎日続けていくというのは大変むずかしく、なかなか習慣化しません。私も数年前までは、「禅的瞑想」や「感謝の言葉」、「一日の反省」を毎日くり返すということができませんでした。その当時の私を振り返ってみますと、心(意志)が弱かったことや魅力的で人から好かれる人間になりたいという思いが弱かったこと、さらには毎日できない理由を忙しさからくるところの疲れのせいにして逃げていたことがありました。つまり、「心のクセ」を正していこうとする行動の優先順位が低くかったということです。

 そんな私でしたが、あることがきっかけで毎日続けれるようになりました。それは、社員を次第に多く採用していくに従って自分の「心のクセ」が原因で、社員との関係で悩んだり苦しんだりすることが多くなりました。そんな時「もっと魅力的で社員から好かれる経営者になりたい。魅力的で支持される経営者であれば、社員との関係で悩んだり苦しんだりすることはないはずだ」と強く思いました。

 それから「禅的瞑想」「感謝の言葉」「一日の反省」に少しずつ取り組めるようになりました。しかし、毎日は続きません。そこでやむなく、それらのハードルを下げ、少しずつでもいいので毎日続けようと工夫しました。さらに「疲れて無理だ」と思う日は、「今日一日だけでもやろう。」というふうに考え直し、なんとか少しずつ習慣化し続けれるようになりました。このようにして、できた日は「〇」印を、そうでない日は「×」印をカレンダーに印をつけていくうちに「〇」印が続くと途切れさせまいと意欲的になっていきました。

 魅力的で社員から好かれ、慕われ、目標とされる人物、経営者になりたいと強く思い行動し続けた結果、以前の私に比べ少し変化できているように思えます。さらに「心のクセ」を正していけるよう、「禅的瞑想」「感謝の言葉」「一日の反省」をくり返し続けていきたいと思います。

 

2017年6月 317号より 芳野 栄