「おはようございます。きょうも一日よろしくお願いします。」続いて「昨日はお休みありがとうございました。」これは、定休日以外の個人休み明けの社員からの朝一番のあいさつです。いつのころからかこのようなあいさつをしていただけるようになりました。今ではすっかり定着し、気持ちよく一日がスタートできています。
「ありがとうございます。」という言葉は、相手に安心や喜びを与える美しい言葉だなあとつくづく思います。そうした「ありがとうございます。」が多く交わされる職場になってまいりました。ありがたいことです。とてもうれしいことです。ものを取ってもらった時、仕事を手伝ってもらった時、自分のかわりに何かをしてもらった時など相手がわかる場合はもちろん、誰がやってくれたのかわからないけど、助けてもらった場合でも、「〇〇さんやってくれたの」とたずね、やっていただいた人に必ず「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えています。ちょっとした些細なことに対しても心を動かし、「ありがとうございます」と言葉をかけあっている光景を目にし、「ありがとうございます」という言葉がとても心地よく心に響いてきて、おだやかな、やさしい気持ちになれます。居心地のよい職場になってまいりました。
「ありがとうございます」という言葉は感謝の気持ちを伝える一番美しい言葉だと思います。しかし、そこに感謝の気持ちと同様に謙虚な気持ちがないと、すぐには口から出てきません。謙虚さを失いはじめると、わがままが顔を出し、自分中心の心が心を覆いはじめ「〇〇してくれるのが当たり前」と思う気持ちが強くなり、次第に感謝の気持ちがうすれはじめます。それにしたがって「ありがとうございます」という言葉も少なくなってきます。自分のことだけにとらわれていると「人のことを手伝ってあげよう」「ちょっと片付けてあげておこう」という気くばりや心くばりはできません。一日に何回「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えることができるかが、自分の心の謙虚さのバロメーターであり、一日に何回他人から「ありがとうございます」と感謝されるかが職場の人への思いやりの行動のバロメーターであるように思います。
まずは経営者の方から社員に対してこまめに「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝え、また先輩社員の方から「ありがとうございます」を多用していくことで職場全体に良い影響を与え、いい社風となっていくように思います。ちょっとした小さなことに対しても、決して当たり前と思わず「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝え合う、謙虚でやさしそして心が通い合う職場づくりを今後もめざしていきます。
2015年4月 第291号より 芳野 栄