非を認める強さを持とう

  暦の上では「立秋」ということで秋が近づく頃となるはずですが、まだまだ暑い日が続きそうです。「暑気払い」というのは夏の暑さを払って、元気になることを目的とした行い(イベント)を言いますが、特に決まった日程や行事食はないようです。プールや海で体を冷やしたり、スタミナが付くものを食べて生気を養い、暑さを払いましょう。

 さて、先月より「謙虚さ」というテーマで自身の体験と照らし合わせてお伝えしておりました。謙虚さがなくなってくると、「自分の考えが正しい」と自己中心的なものの見方、偏った考え方をしていきます。自分を否定されることを極端に嫌い、周囲から非難を浴びたくないと、自分を正当化し、他人や世の中のせいにしたりします。 自分の責任を逃れるために「予想以上に(状況が変わって)・・・」「・・・しようと思っていた」などと自分は間違っていないことを相手から求められる前に説明しようとします。 「申し訳ございません」とその非を認め謝罪し、挽回や改善に努めようとする姿勢が人としての誠実さや信用につながります。

 六年ほど前、私が立てたホイップクリームがダレている時がありました。そのクリームを使っていたスタッフから「社長のクリームの立て方が甘いのではないか」と指摘がありました。そこで、私 は「そんなはずはない 、(そのスタッフの)使い方が悪い」とクリームのダレる原因となる理屈をいくつか並べ、そのスタッフのせいにしたのです。そのとき、私は言い訳をしているという自覚はなく、「自分の作業に手落ちはなく、自分の理論は間違っていない」と自分の考えが正しいと思っていました。 ところが、しばらくして冷静になって考えると、自分の非を認めたくないという思いが先にたっていて、事実を受け止めることができていなかったのだと気づきました。 そのスタッフには伝え方が悪かったこと、言い訳をしたことを謝罪しました。原因はクリームの立て方が甘かったことも一因であると認めました。

 今回の件を反省し、こうした心のクセを正すためにも、私が毎日一日の反省をする「思いやりチェックシート」という○×チェック表に”他人のせいにし、決めつけや断言する言い方をしない”という項目を加え、いつも意識するようにしました。

 これからも「自分が正しい」と自身を正当化するのではなく、「自分に非があるかもしれない」と事実を正しく受け入れられる寛容な人間を目指していきます。 また、自分に非があったと気づいたときには潔く相手に謝罪し、挽回や改善に努め、誠実で信用される人になりたいと思います。