「よかれかし」という思い

 今年は「三寒四温」の温度差が激しい春の迎え方でした。お体などお変りはございませんでしたでしょうか。いよいよエネルギー全開の雰囲気が漂ってまいりました。当店でも2人の新入社員を迎え、新たな気持ちでスタートを切ってまいります。どうぞよろしくお願い致します。

  タイトルにあります「よかれかし」とは「善かれ」と思う気持ちに「かし」という強調の助詞をつけて、強く「善かれ」と願うことです。「献身的な思い」とも言えるでしょう。献身的なエピソードを耳にしますと、私はいつも心がジーンと感動することが多く、私も「献身的な人でありたい」と思います。「献身」とは、損か得かではなく、ただ相手のために尽くすことです。 「献身」という言葉を聞いて、すぐに思い浮かぶ存在は両親です。 私を産み育てていく中で、さまざまな苦労や世話をかけました。考えてみますと、産まれてから大学を卒業し、社会人となるまでに、どれほどのお金や時間を費やしてくれたかということです。 「おなかがすいた」といえばご飯を用意してくれ、「野球がしたい」といえばグローブを買い与えてくれ、朝早くから夜遅くまで一生懸命働いて疲れているにもかかわらず、泥だらけのユニフォームを洗濯してくれていました。  とてもありがたいことです。 今となって、私も三児の父として、同じように子供の成長のために「よかれかし」と思う気持ちがあふれてきます。たとえ自分のお腹が空いていても「子供に食べさせてあげたい」という気持ちが優る感覚です。 この思い、行動が身近にある献身的姿勢だと思います。 自分の家族のみならず、職場、お客様、地域の人たちに対しても、この「よかれかし」と相手を思う「良心」とも言うべき気持ちを発揮することが、周囲を和ませ、世の中を幸せの方向へ導いていくのでしょう。

 歴史上の偉大な人物を考えてみても、「自分のために」とはたらきかけた人は最終的には惨めな思いをし、「他人のために、世の中のために」とはたらきかけた人はたとえ悲惨な生涯をおくっていたとしても、後世には称賛される人物となっています。

 私は家族では「父」として、会社では「社長」として、リーダー的な役割を担っております。その立場の人が己の損得に捉われず、全体の調和と発展のために「よかれかし」という献身的な思いで行動することがその家族、会社などの社会を幸せにしていくのだと思います。このことを肝に銘じて、私自身がわがままを言わず、他を思いやる「よかれかし」という献身的姿勢を心がけようと思います。