木々のささやき 353号

感謝、信頼、忍耐

 今回の新型コロナウイルス感染に関して、三つのことを感じました。それは、「感謝」「信頼」「忍耐」という言葉であらわされます。

 新型コロナウイルスの感染が全国で拡大していく中で、自らの命を危険にさらしながらも、感染者の命を救うために努力されている医療従事者に敬意と感謝の気持ちがわいてきました。またお客様との接触に不安を感じながらも体調管理をしながら、休業せずに営業を続けてくれた木輪の社員達にも感謝しております。私自身も一日の終わりに今日も一日新型コロナウイルスに感染せず無事に過ごせたことに感謝する日々でした。

 今回のような危機的状態を乗り越えていくには、リーダーの強いリーダーシップと機敏な対応、そして周囲の人からの協力を得られる信頼関係の構築が欠かせないと思いました。会社で言えばこれから先のことを予測し、進むべき道をはっきり社員に示すリーダーシップ。また経営者と社員との間に信頼関係がないと会社の危機を乗り越えることはできません。日頃から経営者は社員に対して、自ら身につけた思いやりの心(徳)を施していく。そのことで社員との間に強い信頼関係を構築しておくことが大切だと改めて感じました。さらに今回の営業の継続については、社員との間で十分なコミュニケーションをおこない社員の不安を解消した上で、お客様と社員と経営者間で無理のない妥協点を見出し合意の上で営業継続に踏み切ったこともよかったと思います。

 緊急事態宣言が発せられ、2ヶ月間行動の自粛が求められました。小学生、中学生、高校生は、3月より3ヶ月もの間学校に行けず、友達とも会えず、また数々のイベントの中止を余儀なくされ、不自由で思うようにいかない日々に精神的なストレスは私たち大人が感じる以上のものがあったはずです。しかし、数々の協力があったものの、忍耐強くよく辛抱してくれたと思います。こうした体験が将来きっと役に立つことを願っています。小中高校生が忍耐強く辛抱している一方で、大人が自分のわがままな心をコントロールできず、遊戯施設に足を運び、「家にいてもつまらない」「ストレスがたまって仕方がない」などの声を聞くと、何とも情けない思いがしました。まず大人がこうした事態をしっかり受け入れて、味わってみるくらいの心の余裕が欲しいなぁと思いました。そして子どもたちに、大人としての範を示して欲しいと思いました。

 まだ現在も先の見えない今回の新型コロナウイルスの感染におびえる日々が続いています。日々努力されている医療従事者に感謝しながら、私たちの生活にも工夫を加えながら、もうしばらくの間わがままを抑え、辛抱を続けたいと思っています。

 

 

2020年6月 353号より 芳野 栄