木々のささやき 318号

お役に立つ店をめざす

 創業時から、お客様に必要とされ 愛される店、お客様のお役に立つ店をめざしてきました。「木輪」という屋号にも、そうした思いもベースに自分の願いを込めて、命名いたしました。

 その意味するところは、”木輪”とは木の輪、つまり年輪のことです。一年一年ほんの少しでもいいので成長を続けたいと思っています。そして成長したあとが年輪のようにしっかり刻まれ、私と会社の成長の証として残していきたいと思いました。同時に次のようなことも期待いたしました。年輪の輪は、私とお客様が手を結びながら成長を続ける姿ともとれます。また、お客様同士が、木輪を通して手を結びあいながら、仲よく、親しく、たのしく広がっていく姿ともとらえることができます。

 ”輪にな~れ、まごころ結ぶ

   輪にな~れ”と願っています。

 ところで、木輪を通して、お客様同士の輪が仲よく、親しく広がっていると感じれることがありました。

来店されたあるお客様が、木輪の一人の販売員に次のような話をされたそうです。

 「さきほどここ(木輪)で久しぶりに会えた人がいました。その方は、私がずっと『会いたい、会いたい』と思っていた人でね。私も、その方もここのパンが好きだから会えたのね」と言われたそうです。

その話を受けた販売員は、「二人のお客様が木輪のパン屋が好きということで、こんな偶然な出会いができたことを、喜びながら私に話されている姿を見て、聴いているうちに私の心があたたかくなり、とても幸せな気持ちをわけていただいたように感じました」とその時の気持ちを報告してくれました。

 また以前次のようなこともありました。

 近くのバス停でバスを待っている二人のお客様がとても親しげに、たのしそうに話をされていました。後日、一人のお客様に「以前お二人が親しげに、たのしそうに話されていましたね」と話したところ「相手の方も木輪さんの袋を持っていらっしゃったので、つい心やすく思い、話かけてみると、木輪さんのことで話が盛り上かりました」とのことでした。

 私が創業以来めざしてきた、お客様のお役に立つ店になることが、こうした形で現実のものとなり、木輪を通してお客様同士の心の輪が広がっていくことに心満たされ、幸せを実感できました。同時に販売員にとっても、自分が働いている店がこのように世の中の役に立っていることを実感でき、誇りと幸せを感じてくれたのではないかと思います。

 これからも、さらにお客様に安心と喜びと幸せをお届けし、地域の皆様のお役に立つ店となれるよう努力していきたいと思います

 

2017年7月 318号より 芳野 栄