木々のささやき 351号

受賞おめでとう

 2月に行われたPANメンバーズ主催の「国産小麦を使った食パンコンテスト」で、弊社社員板清香帆(いたきよかほ)が見事第3位の入賞を果たしました。

 1月の素心学塾勉強会の中で、「今年は社長のように食パンコンテストで1位をとります」と多くの塾生を前に、自分の決意をしっかり宣言した後の賞であっただけに、とても価値ある受賞となりました。もちろん本人の喜びは大きかったようですが、私にとっても昨年のベーカリーパートナー主催の「デニッシュ&ポップ甲子園」の受賞に続く受賞ですから、こうした社員の成長にその喜びもとても大きなものがありました。

 主催者に受賞理由を尋ねてみますと、パンの生地断面の内層の良さ、食感、味、焼色等全てにおいてバランスよく仕上がっていたとの事。さらに商品のネーミングも他の出品作品にはない独特のものがあったとのことです。商品のネーミングについては私のほうから「商品のネーミングには特に製作者の思いが凝縮されるので、思いを込めてネーミングしたほうがいいね」とアドバイスしておきましたが、その通り、自分の名前をもじって「ほの香」と名付けていました。出品までの間、何度も何度も試作を重ねてよりよい商品になるよう努力していました。「努力は実る」、「努力は裏切らない」ということを体得できたのではないかと思っています。

 私は今回のコンテストの結果が、1位ではなく3位で良かったのかなとも思っています。初めてのコンテスト出品です。「まだ伸びしろがありますよ」という知らせかとも考えられます。今回の結果に驕ることなくさらに努力を重ね、上を目指していくことの大切さを教えてくれているのかもしれません。謙虚さを失わないようにしてほしいものです。謙虚さがなくなる兆候の7番目に「仕事に自信が出てきて勉強しなくなる」というのがあります。とかく、今回のようなコンテストで優秀な成績をおさめると、その達成感からか、そのあとの成長や進歩が止まってしまうことがあります。工夫や改善をしなくなりがちになります。勉強、研究が止まってしまいます。謙虚にして驕らず努力を重ね、さらに上位を目指してほしいと願っています。

 「努力」とは、「適正な目標を掲げて、それが達成できるまで行動し続けること」と素心学(池田繁美先生)の中にあります。適正な目標のレベルを自ら引き上げ、その達成に向けて行動し続けて欲しいと思っています。

 

 

2020年4月 351号より 芳野 栄